精度管理責任者の憂鬱

小さな検査室の日常

検査室とマスク問題

雨とか暑さとかコロナとかなんだか憂鬱な日が続きますね。

検査室では、人間より先に生化学の分析器が暑さ(・・・というか湿気かな)でダウンしちゃうので、夏場は冷房がガンガンにかかってます。ずっと長袖のパーカーを羽織っています。

 

まあ、これも重鎮たちから見ると「けしからん!!」な案件だと思うのですが、

仕方ない。寒いもん。

 

元々、検査室内ではマスクをすることになってはいるのですが、生化学のお部屋では

至急処理くらいしか検体のフタを開けることがないので、マスクをしたりしなかったりでございました。

しかーし、このコロナ禍に於いては「マスクをしない=悪魔の手先」くらいの扱いをされてしまいます。さすがに電車とか人混みでは私もマスクしているのですが、難儀なことに

不撚糸のマスクも毛羽立たない上等なものでないと、繊細な私は咳き込んでしまうのです。

 

検査室のマスクは、そこまで粗悪なマスクでもないのですが、繊細な私(しつこい)には

到底一日つけておくことが出来ません。

 

なので、自腹で購入した特殊布マスク(抗菌抗ウイルス仕様)を1枚¥1,980円というぶっ飛びお値段で購入して付けておりますのです。

 

でも、マスクに「このマスクは超高級マスクで不撚糸よりも凄いんだから」とは書いていません。(当たりまえ)

さすがに、検査工程に入るときは使い捨ては厳しいので、会社のそこそこまともなマスクを使わせて頂いております。

 

でも、基本はこの高級マスクで一日を過ごしています。

そんなある日、会社の重鎮たち(社長・取締役部長・課長などそれぞれの部門のトップ)が集まる会議に出てまして・・・残念ながら私も課長なので・・・その事件は起きました。

 

会議といいましても、ほぼ発表会。社長もほぼ声を出さない。そんな会議でございます。

ISO取得に必要な文書を作成するための会議みたいなもんですね。(口を慎め)

 

一人、出席者が5分ほど遅刻するということだったのですが、「まあ、先に始めますか」と

会議がスタートしま・・・せんでした。

急に、いつも意見どころか声も上げない社長が、私の顔をマジマジと眺め一言。

「○○課長、そのマスクはなんでつけてるの?」と。

一瞬パニック。ナンデツケテルノ?とは???

 

よくよく聞いてみると、テレビでは「ウレタンのマスクは全然効果がない。効果が期待できるのは不撚糸マスクだけ」みたいなのをよくやっている。そんな中、検査の長である私が不撚糸ではないマスクをつけているのはどうゆうことか説明しろ、ということらしい。

 

両脇を固めている重鎮たちも「そうだそうだ!」的に合いの手を入れている。

ん?会議で集まって話すことか?

 

えと、私は今から貴重な皆様の時間を使ってこのマスクの効能を説明すればいいのかな?

と、「このマスクは・・・」と説明しようとすると、「検査室のマスクを使いなさい」とご命令。はぁ・・・(たしか、コロナが始まった時も喘息持ちだから不撚糸のマスクは辛いと社長じきじきに伝えたはずだけど、一社員の言ったことは覚えてないか)

「検査に入るときは使わせて頂いています。このマスクは・・・(ウレタンじゃないです)」と言いかけたところに、遅れてきた参加者(社長のお気に入りの私の部下)が入ってきた。

 

シン・・・・。

 

一斉に黙り込む、重鎮たち。

社長のお気に入りは、「遅くなって申し訳ありません。」と一礼。黙り込むおっちゃんたちと

何か話す直前で、椅子から腰がういてる私にきょとんとしている。

 

社長の取り巻きの一人が「じゃあ、揃ったので始めます」と何事もなかったかのように会議が始まった。

社長はどうやら、私にぎゃふんと言わせたかったっぽい。

 

このラボに戻ってきて、この重鎮さん会議で私の放った暴言(と思われている)の数々。

1. 書面に残すのが目的な会議ならメールでいいんじゃないですか。

2. 社長の「インシデントカードの周知って必要?」の発言に呆れて、「周知の意味をご存じないのですか。」

3. 監査前、監査後の報告が担当者間で行えばいいとの決定に「この会議の意図は?」

  結果、私がうるさいのでまた監査後集まってくださいという謎の招集。

 

まあ、60点取れればいいじゃない?って思ってるラボだもん。

切ないなぁ。

 

唯一の救いは、私のチームの検査員たちは全員「課長についていきます」と言ってくれてるところ。まあ、私が干されたら終わりなんだろうけど。