精度管理責任者の憂鬱

小さな検査室の日常

仕事のセンスの無い人-後編

さてさて、前回から仕事のセンスの無い人ってことで書いてますが、

今回はその具体例を少しばかり。(ストレス解消に書いてます。)

 

1. 仕事を点でしかとらえることの出来ない人。

  今している仕事の次を考えることが出来ない。自分のセクションだけで考えると、

  二度手間になったり、次のセクションの人に迷惑をかけてしまいがち。

  仕事動線を意識しないから、同じ行動を何度も繰り返して時間浪費している人。

2. 目の前で起きてることの背景を考えられない人

  機械が壊れてるとして、そのエラー内容しか見れない人。

  なぜこのエラーが出てしまったのか、今後も起きるエラーなのか、

  突発的なものなのかとか、背景を見れない人。

3. 自分の思い込みで動きたがる人

  根拠がない自身で次の行動に出ちゃう人。

  センスがある人は正解を導きだすことが多いけど、

  センスの無い人がやっちゃうと取り返しがつかないことも。

 

 

 

1. 仕事を点でしかとらえることの出来ない人。

  これやっちゃう人、学生時代に賢かった人に多く見られます。

  ひとつのことをやってもらうと、凄い能力を発揮するのに、

  セクションを任すと動けない。調整能力ってのが備わっていないのかも。

  器用貧乏なので、指示するとなんでもできるのにもったいない(T。T)

 

  または、本格的に頭が悪い人。ひとつのことしか出来ない。

  数時間置きに検体が届く部署で、大量に届くため届いた部署から

  カゴを借りてきた。次に取りに行くときにカゴを持って行かず、

  またカゴを借りてきて、カゴだらけになるみたいな。

  もしくは、一回ごとにカゴ返しに行っちゃう人。

 

 

2. 目の前で起きてることの背景を考えられない人。

  機械がエラーで動かなくなっちゃった時、機械が出してるエラー内容は

  【液面センサーエラー】、センサーのエラーだから自分たちで直せない。

  今日の検査は出来ません、と私の休暇中に連絡してきた元部下。

   私: 液面ということは、何かを測定しようとしてたんだよねー

   部下: はい

   私: 何を測ろうとしてたのかな?

   部下: いつも通りコントロールです。

   私: 量は入ってた?

   部下: 確認してからセットしてます。

   私: いつもと違うことは?

   部下: いつも通りにしかしてません。

   私: コントロールの測り直ししてないかな?

   部下: 入らない項目があったのでしました。

   私: 何回測ったの?

   部下: コントロール入らなかったら測りなおすんですよね?

   私: そうだよ、で、何回?

   部下: 3・・・4回です(まだ分かってない)

   私: コントロールの量、もう一回見てもらえるかな。

   部下: 空になってます。

       でも!セットする時にはいつも通り入ってました!(なんか怒ってる)

 

  ・・・という具合。嘘みたいな話ですが、本当です。

  結局、ピペットの曲がりがないか確認しに検査室に行くことになったのですが、

  幸い液面検知センサーは正常だったので、衝突破損は免れたようでした。

 

 

3. 自分の思い込みで動きたがる人

  これもやっかいなセンスの無い人。私もどっちかというと思い込みで

  動く人だったりしますが、管理者なので自分のやらかしは自分で

  責任を取れるので、他に迷惑をかけることはあまりありません。

 

  遠心機のローターを破壊しようとしたパートさんの話。

  小さなラボの遠心機のひとつは、他の部署と共有して使用していて、

  その部署毎に容器が違うので、ローターチャンバーを入れ替えて作業しています。

 

  そのローターチャンバーを入れ替えて固定するのに、位置合わせのための

  出っ張りがあります。小さな出っ張りですが、それを合わせることによって

  ボルトがきっちりと合って緩んだり歪んだりすることなく使えるんですね。

  その出っ張り、当たり前ですが出っ張ってる分、ちゃんと合わせないと

  ローターは入りません。ちゃんと合わせるための出っ張りなんですから。

  ある日、いつも通りに別部署から遠心依頼が来て担当のパートさんが

  作業に入りました。

  すると、金槌を持って遠心機の中を叩き始めました・・・(+_+(+_+)

  思わず止めに入る私。

  そう、そのパートさん、「出っ張りを無くせば引っかかりなく入る」と

  出っ張りを潰そうとしたのです。

  ↑ 悪気がないどころか、いいことをしているという感じで

    報告されて、腰抜けそうだった。

  ローターの芯の部分、つまり遠心機の心臓部です。少し削れていましたが

  なんとか、無事に止めることができました。もし、誰も居ない状態だったら

  破壊して、「やってやりましたよ(えっへん)」くらいに言われて、

  新しい遠心機の稟議書書いて死ぬほど取締役に怒られるとこでした。

 

ほんとね、ちょっと悲しいけど、全員悪気ないんですよ。

(なぜか威張り気味で)「私たち、課長みたいに賢くないんで!」くらいな勢いです。

たぶん、ここで出てくる誰よりもお勉強は苦手な私。

 

少し、怖いです。