精度管理責任者の憂鬱

小さな検査室の日常

検討とは

精度管理責任者業務はとりあえず外部の先生に来ていただいて

スパルタ方式に短期間で詰め込むことにしました。

(内容の肉付けは、自分たちで行うことでなんとかするつもり)

 

ですが。

もうひとつ、引継ぎ事項がありました。

新しい検査項目の検討の引継ぎ。

今まで用手法で行ってきた検査を機械化しようというもの。

部長の話では、試薬検討もマシン検討も終わってるから

後は運用面だけ考えてくれればいいとのことでした。

 

はい、ウソ。

 

元上司に話を聞いたら、確かに試薬検討もマシン検討も終わっているという。

で。

検討内容を確認してみると・・・

 

正常の患者のデータで検討は行われていますけど

異常値の患者のデータはどこ?

 

マシンのスペックの比較と値段の比較はありますけど

検討データはどこ?

 

元上司の言い分 ↓

● 異常値の患者のデータでも検討はしたけど、うまく行かなかったから

  まとめてない。データの数は正常者で十分あるから大丈夫。

● マシンは、メーカーが使えるって言ってるから大丈夫。

 

も、もういいです。

引継ぎも何もいらないから・・・今すぐこいつを辞めさせてくれ。

と、心の中でブチ切れました。

「そ、そうなんですね」と苦笑いしかできませんでしたけど。

 

ここから、怒涛の連勤がスタート。

もう取引先には、検査法の変更をお知らせしてしまっている。

どうやら、試薬検討から再スタートしなければいけないし、

・・・というか、この検査やったことないし。

生化学・血液学はかじった程度、輸血・凝固系をほぼ専属でやってきましたが

ここにきて、細菌検査ってハードルが高すぎる。

でも、もう弱音を言ってる場合じゃない。

 

入れ替わり立ち代わり、やってくる試薬メーカーとの話し合い。

試薬検討と予想結果との違いをまたメーカーに問い合わせて・・・

日曜祝日じゃないと、邪魔が入るので(元上司がまだ引継ぎをしようとしてくる)

休みの日に出てきて検討・・・

 

何度心の中で「あいつ(元上司)殺す」とつぶやいたことか・・・

 

そんな日が、1ヵ月ほど続き、ようやく試薬とマシンの検討終了。

取引先への情報公開と、案内文の提案(よく考えるとこれ営業の仕事だよね)

途中、取締役と大喧嘩したり(社内騒然)、色々ありましたが

光が差してきたようです。

 

結果、取引先への最初の案内より1か月遅れでのスタートでしたが

元上司が2年かけて、行っていた検討を2ヶ月で終わらせたんだから誉めて欲しいくらいです。取締役には「お前は自分の都合ばかり優先させる」と怒鳴られましたが。

 

あの検討結果で、私の名前の入った検査結果報告書を出すのはどうしても無理だったのでね。責任取れないもん。